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シオリは思い出す、約束をした記憶を。そして、彼との過去を。漫画2巻 感想 霧雨が降る森

此花(このはな)です。

今回は、霧雨が降る森の漫画2巻の感想を書いていきたいと思います。

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2巻はシオリが過去を思い出す話でした。
霧雨が降る森の中で、一番楽しみの話が来たので、嬉しかったです!

2巻のあらすじ
霧雨の森へと消えた佐久間を救い出すため、
特に危険だと言われる、霧雨の降る夜、森へと入り込んだシオリ。
次々に聞こえてくるのは、”ヤクソク”という禍々しい声。

そしてそのヤクソクが、自分とことりおばけが交わしたものだと告げられる。
そして明らかになっていくシオリの記憶。
命のタイムリミットが迫る中、単身、森に向かった須賀だが……。

永く孤独を請け負ってきた須賀が背負いし秘密が明らかになる第2巻!!


さて、感想へ行きましょうか!
追いかけてくることりおばけから逃げるシオリと佐久間。
ことりおばけに囚われていた佐久間から告げられたのは
シオリがことりおばけと約束したことだった。

「…ごめん。私のせいだ。私が勝手なことしなかったら、
 お姉さんはこの森に来ないで済んだのに…」

シオリに泣きながら謝る佐久間。

その言葉にシオリは言う
「それは違うよ。須賀さんにダメって言われたのに、
 勝手に森に入ったのは私だもん。とりあえず、二人生きて無事に帰れたらそれで十分だよ」


佐久間は口が悪いけど、根はやさしくていい子ですよね。
巡査の前ではひねくれていますけど(笑)


シオリの言葉に「でも…」という佐久間
「反省は帰ってからにしよう。
 たぶん望月巡査にこってり絞られるから」


「さぁ、早く帰って一緒に怒られようか?」
佐久間に向かって手を出すシオリ。
佐久間はゆっくりとシオリの手を取った。

森への出口と歩く2人。
すると、きらりと光るものが見えた。


「ネックレスと同じ石だ・・・! 紐に通す穴も開いてる。
 うん、ちょうどだ」

シオリはその石を持っていた紐に通す。

佐久間はそれを見て、そのネックレス、どっかで見たことある、と言った。
「森に入る前に須賀さんが渡してくれたの。
 …全部、砕けちゃったけど」

シオリが佐久間にそう説明する。

佐久間は思い出したかのように、須賀から逃げるときに管理人の部屋に隠れていた時に、
ネックレスを見たと声を上げた
「夜光石はお守りなんだよ。
 だからきっと管理人がお姉さんにその石を渡したのは・・・」


「私を…守るために…」
シオリは夜光石を見つめた。

夜光石はことりおばけから守るためのお守りなんだよね。
そのため、森の入り口に夜光石が置いてある。
もしもためにと、渡したんだろうけどね、須賀君。


シオリと佐久間が道を進むと、
その先の道が2つに分かれていた


佐久間は帰り道を忘れてしまったらしく、悩む。
シオリも覚えてないと言おうとするが、微かに記憶が甦る。

「…確か、元の道に帰るのは右の道だと思う」
そう言ったシオリ。
「本当? お姉さんわかるの?」
「うん…なんでだろう」
昔…ここを通った気がする…とそう思うシオリだった。

右の道を進んだシオリと佐久間はもう光を放たない夜光石に通りかがる
「…あの岩、確か森の入り口近くにもあった」
「でっかい夜光石だよ。森の入り口のは結界みたいな役割らしいけど」


さらに道を進むと、森の入り口近くの橋まで出た。

「橋が落ちてる…」
森の入り口まで繋がる橋が落ちていた。
困惑する2人

そんな時、ことりおばけの声が聞こえた
おいで…おいで…」
「…! どうしよう。いるかもしれない」
シオリが動揺する

「でも行くしかないよ! 後ろに道はないんだから…」
佐久間はそう言った。
すると、突然さっきの夜光石から蔓が伸びる

「佐久間ちゃん!!!」
佐久間が蔓に囚われてしまった。
慌てて駆け寄るシオリだが、佐久間に絡まった蔓が外せない。

「お姉さん…っ、先に逃げ…て…!」
佐久間はシオリに訴える
「そんなことできないよ!」
シオリはそれを拒否する。
「だめっ、お姉さんが捕まっちゃう…!」

シオリは佐久間に安心させるようにこう訴えた。
「…大丈夫だよ!安心してきっと助けるから!」
佐久間はそう言われて、安心したのか気を失ってしまった。
「佐久間ちゃん!?」

気絶してる…苦しいんだ。なんとか、佐久間ちゃんを助けないと・・・
せめて誰か人を呼べれば・・・

「…でも、ここに一人で置くのは不安だ」

シオリは自分が持っていた夜光石のネックレスを佐久間にかける
「…守ってあげてね」

シオリはさっき通った分かれ道まで戻り、左の道へと向かった。
逃がさない 逃がさない 逃がさない 
 逃がさない 逃がさない

シオリを待っていたのは、ことりおばけだった。慌てて逃げるシオリ

夜光石が置いてある像を通り過ぎると、
 ことりおばけが突然止まった。

光 キモチワルイ 憎イ…憎イイイイ!」

「(…そこから入ってこられないんだ。
 今のうちにいかないと!!)」

シオリは古い洞窟の中へと急ぐ

奥へと進むと、大きな湖のようなものが拡がっていた
「(上から光が漏れてきてる…! 奇麗な円形の穴が天井に見える)
 もしかして…井戸…?」


運が良ければ、人がいるかも!
「誰か! 誰かいませんか!? お願い!誰か! 誰かいたらどうか!
 助けてください。友人が危ないんです!」

シオリは叫ぶ

一方、望月巡査は―

「…まいったな。屋敷に入る鍵が壊れて中に入れん。早く佐久間を見つけ出さんと…。
 雨も一向にやむ気配がないしな。とは言え、窓を割って入るわけにはいかんよなぁ…さすがに…」

外で屋敷に入る鍵が壊れて中に入れなくなっており、井戸の近くでうろうろと悩んでいた。

最初見た時、笑っちゃったんだよな。
望月巡査がまさか、カギが壊れて中に入れない状態になってるとは思わなかったからな。


すると、井戸から声が聞こえた
「―誰か!――誰かいませんか!
 ――お願い…っ!誰かいたら返事をして!」

その声に望月巡査は声を上げた
「…おいおいなんだ? おい誰か! そこにいるのか!?」

「――その声…っ! 望月巡査ですね!?」

「―私です。神崎です!――井戸の中にいるんです!」
そう訴えるシオリ。
「井戸の中って…なんでまたそんなところに」
驚いた様子の望月巡査

「森からここに通じてて…そ、そんなことより助けてください。
 佐久間ちゃんを見つけたんです!―でも、変な蔦に捕まって……!
 早く助けないと危険なんです!」

必死な訴えに望月巡査は分かったと言った。
「少し待っとけ!」
その返事にほっとするシオリ

「――よし、今いくぞ!!」
「…え?」
望月巡査は井戸に縄をおろし、井戸の底まで下りてきてしまった。

ここでマジか(笑)って笑ってました(ゲーム初見時)
降りてくるのではなく、シオリちゃんが上に行くための縄を下してくれるのかと思ってましたから。
降りてきた瞬間、え?巡査がくるのかって思いました。

帰り、どうするんだろうという一抹の不安が浮かんだんですよね。
橋が落ちてるし、どうやって帰るのかなって。


「…大丈夫か? まさか森にいるとは思ってもみなかったぞ。
 立ち入り禁止のはずだろう」

「すみません…」

「それで佐久間は? 蔦に捕まったってどういうことだ?」
「説明は…後でしますから、とにかく一緒に来てください!
 早く行かないと佐久間ちゃんが危ないんです!」

「…わかった。案内してくれ」
2人は佐久間がいるところへと向かう

「…そういえば須賀くんを見てないか?」
「須賀さんですか?いいえ 
 …私は須賀さんに言わずに勝手に出てきたので」

須賀、さんか…。これを見る度に切ないな…。

「そうか、あいつも外に探しに行ったみたいでな。
 もしかすると、森にいるかもしれん」

望月巡査の話にシオリは須賀さん、の安否を心配するのだった。

そんな時、ことりおばけの叫び声が聞こえたと同時にパリンと砕けた音がした。
「ネックレスの砕けた音だ! 
 早く佐久間ちゃんの所にいかないと!」


「佐久間ちゃん!!」
そこには血だらけになった夜光石と無傷の佐久間がいた。
「…なんだこりゃ。佐久間!しっかりしろ! 
 …なんで外れないんだ…まるで石みたいだ・・・」


すると、佐久間が意識を取り戻した。
「…おねぇさんと望月…巡査・・・?」
「もう大丈夫。助けに来たよ。だから頑張って!」
そう声をかけると、佐久間は安心したかのようにうなづいた。
「うん…ありが…と…」
また意識を失ってしまった。

シオリと望月巡査は佐久間に絡み付いている蔦を外そうとするが、
一向に外れない。


「・・・君は下がってて」
望月巡査は拳銃を取り出した。
銃で蔦を外そうというのだ。

しかし、望月巡査が銃で撃っても、
佐久間に絡み付いている蔦は傷一つつかなかった。

「…どうして、傷一つ付かないんだ」

そんな所へ須賀君が現れた。
「…須賀さん!!」
驚く2人。

須賀君はシオリを見た瞬間、怒ったように不機嫌そうな顔になった。
あぁ…須賀君。ごめんね、どうしても佐久間ちゃんを助けたかったんだよ!
ってなってた。自分の気持ち的には

「…須賀君。君が怒っているのはわかるが、
 今は先に佐久間を助けたい、協力してくれないか?」

望月巡査がそう言うと、須賀君は持っていた模造刀で蔦を切った。

「…この蔦をそれで切ったのか? 
 須賀君それは模造刀だと聞いていたが…」

えっと、望月巡査、その刀は確かに模造刀だけど、夜光石で出来ている刀です。
そのため、ことりおばけが原因だと思われる蔦に対して効いたのだと思います。

「…いや、その話はあとにしようか。
 ありがとう、須賀君!助かった」

望月巡査は須賀くんにお礼を言う

「…とにかく、佐久間を連れて戻らないと、佐久間は俺が運ぶ。
 君たちも戻るぞ、じゃあ行くか」

皆が動き出そうとしたその時、シオリに異変が起こる

約束、約束、約束
声が聞こえた。
思わず、足が止まるシオリ

「どうした?」
不思議そうにする望月巡査
「あ、あの、先に…さ、先に行って…下さい…」

――まだ果たしてない
また声が聞こえる。
「声…声が…! あ…あ…い、いやだ…っ!」
シオリは震えだす。

渡せ。渡せ。渡せ。お前の命を渡せ!!」
その声と共にシオリは地面に飲み込まれる。
須賀がシオリの手を掴もうとするが、あと一歩届かなかった。

このシーンは須賀君にとっても辛いですね。
また助けられなかったんですもん。


飲み込まれたシオリは謎の空間にいた
真っ暗な空間の中に、4つの光。

「…え? ここはどこ? 
 みんなは? 私どうして…」

いきなり皆と離され、戸惑うシオリ

偶然、空間にあった光に触れてしまう。
すると、シオリは光に包まれた。

その場所はシオリにとって、酷く懐かしいもの。

「今日はあの男の子が遊びに来る日でしょ? さては楽しみで落ち着かないんでしょ。
…ふふ、村で一番の仲良しだものね。あ、でも無茶はしちゃだめよ。あなたはとってもお転婆さんなんだから。
あの子は大人しい子だから…乱暴なことして泣かせちゃダメよ!それと、森には決して入っちゃいけませんからね?」


シオリのお母さんがそう注意をする。
「わ、わかってるよ!」
母にそう言われ、少し不満そうに言うシオリ。
「…ほら来たみたいよ」

「――さ、遊んでらっしゃい。
 シオリ」

これはシオリがまだ小さい頃のお話。

ついに来ました!過去編。
これは忘れていた記憶。思い出してはいけない記憶。


「**くん! 今日はなにして遊ぶ?
  たたかいゴッゴする?」

そう声をかけるシオリ。
すると、その男の子はシオリの言葉におろおろとしだす。
どうしようか悩んでいる様子だった。

その様子にシオリは―
「…やっぱりお花つみにする?」

その言葉に男の子は嬉しそうにぱぁっと顔を輝かせた。
あーめっちゃ可愛いな。買ってよかった。

「でもそのあとたたかいゴッコだからね!」
シオリは目を輝かせながら言った。
男の子は少し顔を青ざめる。
「…うん。しぃちゃん」
男の子はそう言った。

誰かに似てるけど、でも喋れる男の子。
シオリの方が男の子っぽいっという(笑)


現代のシオリに場面が戻る。
「…今の私の記憶? 若い頃のお母さんと話して、知らない男の子と遊んでた…。
 それにあの場所は資料館?…私、そんな覚えないのに…」

記憶にない思い出を見て、戸惑うシオリ。

すると、また一つの光が浮かび上がった。
恐る恐るシオリは光に手を触れる


幼いシオリはあの男の子を待っていた。
「…遅いなぁ。今日も遊ぶ約束をしたのに」
遊ぶ約束をしたのに、来ない男の子。

すると、微かに声が聞こえた。
「…よわむし!! いけっていってるだろ!
 …ないてないで なんかしゃべれよ!」」


「もしかして……」
シオリは走り出す。

「おまえ、ゆーれいみたいにきもちわるいのに、
 もりにいくのがこわいのかよ!」

突き飛ばされる男の子。
「よーわむし! なーきむし!」

「かかなしご!もしかしたら、
 おまえのかーちゃんはもりにいるかもしれねぇぞ!」

その言葉にぴくりと反応する男の子。

「そうだそうだ。「ことりおばけ」は、ほんとうはおかあさんなんだってよ。
 おかあさんになりたくて、こどもをたくさんさがしてるんだって。
 おまえのかーちゃんになってくれるかもしれないぞ!」


「とーちゃんだけじゃ、さみしいだろ?」
子どもたちの酷い言葉に男の子は泣き出す。
「あーあ、またないてらぁ」

最初、かかなしごを一瞬意味を解りませんでした。
数秒後、あ、母さんがいないのか、と理解しました。父子家庭なんでしょうね。その男の子は。


「なんだよかんざき。
 また、おまえかよ」

そこに現れたのがシオリだった。男の子の前に出るシオリ。

シオリは男の子の腕を掴んで言った。
「こんなやつらほうっておいて、
 はやくいってあそぼう!」

シオリの行動に子供たちは怒る。
「おいまてよ! かってにかえんなよ!」
「なんで?」

「おまえ、いっつもじゃましやがって! こんなくらいやつとあそんでるなんて、
 おまえもあたま、おかしいんじゃないか!しゃべんねーし、かかなしごだし、
 こういうやるはいるだけできもちわる――」


「ひどいこと、いわないでよ! 
 あんたたちより**くんのほうがずっとずっといい子だもん!!」

シオリはその言葉を言った子をぶん殴った。

「ちくしょう。やりやがったな!」
その子達とシオリは喧嘩になった。

「いててて!わかったよ!もうしらねーよ!」
シオリの強さに子供たちは逃げて行った。
「…ごめん、ごめんね…。だいじょうぶ?」
心配そうにシオリに声をかける。

「**くんはほんとうに なきむし。
 あいつらのいったとおりだ」

少し不満そうに言う。
「…あの、その…ぼくは…。…ごめん。
……でもそれよりしぃちゃんがケガをしてたらいけないから、おうちにかえろう?」

ぎゅっと手に力を入れ、そう提案した男の子。

「やだ!! だって**くん、まだないてるもん。
 わたしがなかしたって、おもわれるよ。**くんのなきむし!」

シオリは、そう男の子に反論する

「…でもね、くらいとか、きもちわるいとかそんなのはぜんぜん、おもわないよ!
**くんはやさしいし、ちょっとくらいし、へんでも、そこがおもしろくてわたしはすきだよ!」

そうシオリは男の子にそう言った。

シオリは本当にいい子だなぁ…。
だからこそ、男の子はシオリのことが大切だったんだよね。

「…どんなわるいひとがいても」

「わたしが守ってあげるから」
男の子にシオリは笑顔でそう言った。

シオリの言葉に男の子は泣き出してしまう
「もー! どうしてなくの!」
これは…うれし泣きだよなぁ…。シオリの言葉が嬉しかったんだよね。

場面は現代へ戻る

「…なんでだろう。あの男の子を私はよく知っているきがする…。
 泣き虫であんまり喋らなくて、でも優しくてちょっと変で…」

なぜか懐かしく感じる記憶に戸惑うシオリ。

「それに「ことりおばけ」の話をしていたから、
 やっぱりあそこは阿座河村なんだ」

どうしてこんなに…私の知らない思い出があるんだろう…?

そしてまたシオリは光を放っている存在を触った。
「シオリ!また奥の部屋の鍵を勝手に持ち出しおって!」
怒る声。
「ごめんなさい…」

「でもどうして、はいっちゃいけないの?」
不思議そうに聞くシオリ。
「それはお前さんが子供だからだ! あそこは「ことりおばけ」に通じとる。
 けっして子どもが入っちゃならん!」

そう怒るシオリの祖父。

それでも納得していないシオリは質問をする
「「ことりおばけ」に? どうしてそんな部屋があるの?」
「それはな シオリ。この家は「おがみさん」の家と呼ばれておるからだ。
 森から何も入ってこないように、代々見張っておるんだ」


「「おがみさま」って…この絵本の? 
 じゃあおじいちゃんもそうなの?」

「ことりおばけ」の絵本を持ってそういうシオリ。
「村の人からはそう呼ばれとるよ。ちなみにお前の父さんもだ」

「ふーん、だからおまつりのときはいつもへんなおいのりしてるんだね。
 じゃあわたしが、おくのへやにいってもやっつけてくれるから、へいきじゃないの?」

純粋なその質問におじいちゃんは考え込んでしまう。

そんな所へシオリの父が帰ってきた
「おとうさん!」
シオリは父が帰ってきたことで嬉しそうに声をかける
「なんだシオリ。また怒られてるのか?」

「ねぇ、おとうさんもおじいちゃんも
 「ことりおばけ」をやっつけられるの?」

呆れながら言う父にシオリは同じ質問をする
「「ことりおばけ」を?」
少し驚いたようにいう父
「奥の部屋に入ってはダメだと説明してんだがな…」

「…シオリ。それはちょっと難しい話だなぁ…」
複雑そうな感じで父は答えた。
「おい! ケンジ!!」
父の言葉に怒ったような声を出す祖父。

「…父さん。実際そうじゃないか。シオリに変な安心をさせるわけにもいかないよ。
 それに俺はね、自分のこの立場を好いてはいなんだ。父さんも知ってるだろ?」

祖父の声に反論するように父は答える。
「あぁ…まったくお前は。「ことりおばけ」は実際におるんだぞ!」

「それは…わかってるよ」
父はシオリに目線を合わせ、こう言った
「シオリ。もしも「ことりおばけ」に会ってしまったら”約束”をしてしまったら、「ことりおばけ」は子供が”約束”を覚えている限り、いつまでもいつまでも呼びかけ、追いかけてくる。子どもが”約束”を忘れてしまっても、その”約束”を思い出させて攫ってしまう。

お前がそうなったら全力で守るけど、父さんもおじいちゃんも「ことりおばけ」はやっつけられない


「だから子どものうちは決して、
 奥の部屋にも森にも入ってはいけないんだ」

「……うん、わかった」
父の言葉に納得したようにシオリはうなづいた。

「よし、いい子だ!」
そう言って、シオリの頭を撫でた

「さぁシオリ、今日もあの子と遊ぶんだろ? もうそろそろ来る頃じゃないか?
ただ今日から、しばらくは雨らしいからな。雨の日は特に森のそばに寄ってはいけない。 
 ちゃんと家の中で遊ぶんだよ?」

「…うん!」
シオリは笑顔でうなづいた。

あの男の子と遊ぶシオリ。
父の話をそのまま、男の子へと話す
「だからね、もりにはいっちゃ、いけないんだって。
 …ダメだよ?」

「……うん」

「……あの、…じゃあしぃちゃんもいつか「おがみさん」になる?」
男の子はシオリにそう聞いた
「うーん……わたしはおんなのこだから、たぶんならないんじゃないかなぁ。
 それより、おとなになったらもっとたのしいおしごとがしたいなぁ」

シオリは将来の夢を話しだす。

「……ぼくは…ここにあるやこうせき 
 みたいなのをつくれるひとになりたい」

そう男の子は言った
「わぁ!いいね! アクセサリーとかもつくるの?」
「…うん」

「**くんはきれいなのがすきだもんね!それにやこうせきは、おまもりになるから、
 きっとステキだねぇ。おおきくなったらわたしにもみせてね!」

嬉しそうにシオリは言う
「……うん」
その表情につられるように男の子も嬉しそうな表情になる。

突然、部屋の扉があいた。

「**君。きみに連絡があったんだ。
 急ぎの連絡だから、早く帰りなさい」

現れたのはシオリの父だった。
「車が送っていってあげるから、はやくおいで」

「…どうしたの? おとうさん」
不思議そうにするシオリだったが…
「……シオリはまだいいから家にいなさい」
父にそう言われ、男の子が呼ばれた理由が分からないまま、男の子と別れを告げる。

「…シオリ、あのね…」
家に残ったシオリの母がその理由をゆっくりと話し出した。
「……**君のお父さんね。仕事の帰りに土砂崩れにあったの…。
 村の人々で助けにいったんだけど…土砂を掘り起こすのに時間がかかって」


「…そのまま……」
告げられた言葉はひどく悲しいものだった。

このシーン辛いですよね…。
ずっとあの男の子にとってはお父さんだけがたった一人の家族だったのに、
そのお父さんまでいなくなってしまうなんて…


また場面が現代へと戻る。
…あぁ そうだ。あの日のことも
シオリは思い出す。
あの男の子のことも…あの家のことも…私は知っている

一方、残された須賀達は―

「――じゃあ君は
 ここに残ってあの子を探すんだな?」

望月巡査の言葉にうなづく須賀君

「……俺は佐久間を先に連れていく。このまま森をうろつくわけにはいかない。
しばらく捜しても見つからなかったら…君だけでも必ず帰ってくるように。
 佐久間が大丈夫なようだったら俺もまたあとで資料館にいくよ。」


「……なぁ、須賀君」

「君は……どうしてあの子のことを……」
疑問をぶつけるが、少し間をおいてから
「…すまん。とにかく気をつけろよ。
 この森から…必ず生きて帰ってきてくれ」

須賀君の言葉を聞くのをやめ、そう言った。

一人になった須賀。その耳には声が聞こえていた
「…ル…ナ…。――クルナ。オマエハクルナ。
 コワイ、キモチワルイ、コワイ

須賀を拒絶する声。

すると、須賀の前にある者が現れる。

逢わせて。お母さんに
以前会った光を帯びた小さな子ども。
見つけて。ひしめく無数の声の中に飛び込む前に。君が作った奇麗な光る石。
 君はどこにあるか知ってる。きっと、大事な人を助けてくれるよ

その言葉にある場所へと走り出す須賀君。
そして…逢わせて。お母さんに…」

向かったのは須賀君の夜光石の加工場。
それは崖の下にあった。


須賀君は初めて作った夜光石を見つける。
見つけたみたいだね。それがあれば大丈夫。さぁ急いで、
 大切な人にもう二度と会えなくなる前に、会いに行って。君は…君は全部覚えてる


あぁ…この時須賀君がどんな気持ちでいたのか…。
思うと辛い…。


須賀は森への奥へと進んでいく
ヤメテ、ヤメテ、ジャマシナイデ

「コワイ。オマエハ、コワイ。…コナイデ」
黒い色をした子供たちの霊。
須賀を拒絶する声。

これは「ことりおばけ」に食われた子供たちの霊でいいんですよね。
ここのシーンはゲームとほぼ同じに思います。
どういう風に表現するのかと思いましたが、良く出来てるなってそう思いました。


「オマエハ、イラナイ。イラナイ」
「コワイ」
「オマエハ、イヤ。コナイデ、コワイヨ」


トオサナイ、トオサナイ
無数の子どもたちが道をふさぐ
須賀はその子どもたちを見つめた後、意を消したように子どもたちに刀を向けた。
――ヤメテ、…コロサナイデ

ソレヲ、コッチニムケナイデ……
怯えたように言う子どもたち。
「――イヤ、……イヤ、イヤ!!」

それを無言で切り捨てる須賀。
必死で子供たちは「オカアサン」を求めていた。

その声を必死に聞かないようにしながら、
 須賀は森の奥へまた進んでいく。


ヒドイ、ヒドイ、ヒドイ。ヤクソク、オマエハイラナイ。
 オカアサンハ、モウオマエヲワスレテル。ホシイノハ、アノコダケ


「――ケガレタオマエハイラナイ!」
声はさらに加速する。
オナジコトヲ、クリカエシテ、
 ――キミハ、ナンニン ギセイニスルノ
?」


シツコイ!!シツコイ!! オマエガイキナキャヨカッタ!!
オマエガイキナキャヨカッタ!!オマエガイキナキャヨカッタ!! オマエガイキナキャヨカッタ!!
 オマエガイキナキャヨカッタ!!オマエガ
――…」

そう言った子供の霊を切り捨てる須賀くん。

うわぁ…心にぐさぐさ刺さる言葉を…。
やめろよ!須賀くんが…。


「――ネェ、キミハ、――ドウシテ ジャマヲスルノ?」

「――ドウセ、マモレヤシナイノニ。
 ――ゼンブゼンブ、キミノセイナノニ
。」

言葉を発している子どもたちを切り捨てていく。

「――ジブンカッテ。ザンコク。ヒドイヤツ。カナシイクセニ、
 カナシクテカナシクテ、タマラナイクセニ。ナノニ、マヨワナイ


子どもたちを切り捨てて、最後の一人。
「――バイバイ。オカアサン
そう最後にそう言って消えていった。

須賀君の表情はゆがんでいた。
どんどんと表情が暗くなっていくのが見てて、辛い…。


そして、たどり着いた森の奥には
気を失ったシオリがいた。

周りにはあの子どもたちが集まっている。

それを見て、衝動のように向かっていく須賀くん。
周りにいた全ての子どもたちを切り捨て、シオリのそばに立つ
「――ネェ、キミハ ――ソウヤッテ、ボクタチヲ ナンド アイツミタイニ コロスノ。
 ――ソウヤッテ、イツマデ。――イミノナイ、ヤクソクヲマモリ、ツヅケルノ
?」

声が響く
「――クルシイ。クルシイ。クルシイ
その言葉に耳をふさごうとする須賀。

シオリのそばで一人で泣く須賀だった。
やばい・・。辛すぎる…。
子どもたちの言葉が的を得ているからこそ、辛い…。

シオリはまた記憶を思い出していた。
「―おい、聞いたか。今朝から**ん家の息子が行方不明らしいぞ。
 **ん家っていえば、……ついこの間、父親を亡くしたばかりだろう」


「――あぁ。たしか母親も前に亡くなっている…。
 そして息子までいなくなるなんて」

「とにかく村中で探しているんだが、見つからないんだ」

「――この雨だ。早く見つけないと、おおごとになるぞ。そうだな、
雨の日は大人も森には入らない。もし、その子が森に入ったりでもしていたら……
 もう、見つからない…」

村の人々が噂する。

シオリは男の子を探す為、森の入り口に来ていた。
「(……**くん。きっと**くんは…おかあさんをさがしにいったんだ。
 ……あめだから、おとなももりにはいらない)」


「…わたしがいかなきゃ。
 **くんにやくそくしたもん」

そう言って、森に入るシオリ。

「**くーん! どこにいるのー?」
声をあげ、探し回るシオリだが、見つからない。

かわいいかわいい、わたしのぼうや。
 はようはよう、でておいで


探し物?」
出会ったのは光を帯びた子ども。
「…うん。おとこのこをさがしてるんだ」
素直にそう言うと、子どもはこう答えた。

知ってるよ。見たよ。奥に行ったんだ。
 お母さんを探しに行ったんだ。いいなぁ、いいなぁ

子どもはその男の子をうらやましがっていた。
「ほんとう? **くん、大丈夫かな」
その言葉に驚いて聞くシオリ。

だいじょーぶ。勇気をもって。救って。大好きなら、大好きなら、大好きなら。
 いいなぁいいなぁ、いいなぁ。ぼくも会えたらなぁ。助けてあげられるかなぁ

こどもはそう言って、きえてしまった。

森の奥の方から何かの声が聞こえた
「なに。いまのこえ?」
怯えたようにそうつぶやく

「**くーん!どこ? どこにいるのー!? ねぇおねがい!へんじしてよぉー!
 かえってもおこられても、わたしがいっしょにあやまってあげるから!!」

シオリは叫ぶ。

「…ここ、どこ…? 
 **くーん! へんじしてよー!たすけにきたよー!」

そう叫んでも誰も答えてくれない。
「いっしょにかえろうよぉ……!」

一方、男の子は―
やはり森の奥へいた。
「…おかあ…さん…おかあさん……おかあさん…」

「…いない。……いないんだ…」
そうつぶやく男の子。だれもいない森の奥。
「…そうだ…そうだよ…。かえろう…
 きっと…しぃちゃんがしんぱいしてる……」


そう男の子が帰ろうとすると声が聞こえた
呼 ン ダ…?」
男の子の後ろへ現れたのは「ことりおばけ」だった

坊ヤ
驚く男の子。

「……あぁ、なんだろう。オマエは嫌な匂いがする。…夜光石の匂い。
 キモチがワルイ。キモチがワルイ。アノ男ノ匂イ

でも…わたしの坊やになれば、愛シテアゲラレル カモシレナイ。
 噛ンデ、砕イテ、グチャグチャニシテ、オ腹ノ中ニ戻シテアゲル

それって、殺すってことじゃないですか…。

「…いや…いやだ……」
男の子は拒否しようとするが、ことりおばけは言う
「――約束ヲ――契リマショウ

一方、シオリは「ことりおばけ」の声を聞き、その方向へと向かっていた。
「…このこえ……だめ、
 …だめ、**くんが……!」


「**くん!!」
ようやくシオリは男の子を見つけた。

「……しぃ、ちゃん…っ!」
助けにもめるような声。
「はやく、にげよう!!」
男の子の手を掴み、シオリは逃げようとする。

「――約束カラハ 逃ガナサイ!!」
捕まえようとする「ことりおばけ」にシオリは―

男の子を守るように立ちふさがった。
「――……しぃちゃん…?」

「…おねがい…**くんをたすけて…」
シオリの言葉に「ことりおばけ」は
「――約束カラハ、逃ゲルコトハデキナイ

「…おねがい!!
 私は**くんとやくそくをしてるの…」


「**くんを守るって…!」
シオリはそう「ことりおばけ」に訴える。

「――逃ガサナイ!」

「じゃあ、じゃあ…! 
 わたしがやくそくするよ!」

シオリの言葉に男の子は驚く。
「ダメ…! しぃちゃん…ダメ…!」
必死に止めようとする

「だって、だって…こんなの、かなしすぎるよ…。ひとりになって、
 さみしかったんだよね……。でも、だからって**くんがいなくなるなんて」


「――そんなのいやだ!!」
シオリは叫ぶ。

「わたしは**くんを――」

「すがくんをまもるって、やくそくしたんだもん!」
ここでの名前公開! 
あのしゃべれなかった須賀君との関係。全部分かってて、つらく当たってたのを知るとめちゃくちゃ切ない…。

「…しぃちゃん…」

「――ジャア、アナタト、約束ネ。
 可愛イ、可愛イ、私ノ子ドモ

ことりおばけは、シオリと約束をしようとする。

「…待って」

「…ぼくが…やくそくするから…
 しぃちゃんと…やくそく…しないで……」

そう須賀君は訴える。

「すがくん…!? …そんなのダメ!」
須賀君の言葉に必死に止めようとするシオリ。
「…しぃちゃん、…ありがとう。…でも、ぼく…」

モウ、変エラレナイ。
 私ハオマエヨリ、ソノ子ガホシイ

シオリとの約束は変わらないとそう言った。

「…なら…なんでもするから…
 しぃちゃんをいますぐつれていかないで!!」

須賀君は今、連れて行かないでと訴える。

ソノカワリ、オマエニ代償ヲ。オマエノソノ体カラ、代償ヲ。
オマエノ、腕ハ足ハ頭ハ体ハ、私ノ嫌いナ匂イニ似テイル。ナラ
――オマエノ払ウ代償ハ、囁キ、響キノ、全テ。約束ハ果タサレル


「――オマエ達ハ、逃ゲラナイ!!」
その瞬間、須賀君は声を失った。
シオリを救うために。

「――あぁ、なんてことだ。まさかお前が”約束”をしてしまうなんて。ただ良かった…。
 あの子のおかげでお前は生きて帰ってきた…。さぁ…この石を見て、じっと見て」

父はそう話す。
「あなたは忘れないといけないの。あの”約束”も、この村のことも」

「――それしか、あの”約束”から逃れる望みはないの…。
 最後にお礼を言って。…ダメよ!嫌がらないで、シオリ!」

母がそう諭す。
シオリは泣きながら、やだやだ須賀君!と叫んでいた。

その姿に須賀君はメモを書き始めた。

「――全部、忘れなさい」
必死に手を伸ばすシオリに
須賀君はメモを見せた。

「しぃちゃんは、ぼくがまもるよ」
メモにはそう書かれていた。

夜光石は「ことりおばけ」から守る魔除けの石ですが、記憶を消すこともできます。
それが「忘却の石」とも言われる由縁です。

つまり、約束から逃れるためにシオリの記憶は消されたということです。

「…私は”約束”をした。あの霧雨の森の中で…」
全てを思い出したしおりはつぶやく
「そのことをお母さんもお父さんもおじいちゃんも、ひどく悲しんで。
私を”約束”から遠ざけるために引っ越しをすることになったんだ。私の記憶を夜光石で消して…阿座河村のことも、私の本当の家のことも…」


「――須賀君のことも!! 
 思い出した…思い出しちゃったよ…」

涙をこぼすシオリ。

「(私、守られてたんだ。みんなに守られてたんだ…)
 おじいちゃん…お父さん…お母さん…、ありがとう…。ごめんなさい…須賀君…」

皆の本当の意志を知って、懺悔をするしおり。
「…早く…早く、戻らないと…。
 きっと須賀君は今も、一人で私を助けようとしている…」


目を覚ますと、そばには須賀君がいた。
「……あ…ごめんね。心配かけちゃったね」

「全部…全部…、思い出したよ…」

「須賀”君”」
あー、いった。さん、ではなく、くん。
よかったね、須賀君。

その言葉に泣きだす須賀君

「……相変わらず、泣き虫だなぁ。須賀君は」
そう言って、シオリは笑った。

記憶を戻ってよかったんだけど、まだ「ことりおばけ」が残ってるんだ。
なんとかしないと、またシオリは記憶を無くさなきゃいけない。
でも、須賀君の真意が分かった瞬間、切なくってしょうがなかった。

わざと森に近づけないようにしてたってことを。
本当は会いたかったはずなのに…。
ずっと想っていた大切な相手だから、会いたかったはずなんだ、須賀君は。

それでも、シオリのためにわざと冷たくしたというのが
切なくてしょうがない。


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約束からは逃げられない! フリーホラーゲームからの漫画化!待望の1巻 感想 霧雨が降る森

こんにちは 此花(このはな)です

今回は、フリーホラーゲームから漫画化された「霧雨が降る森」1巻の感想を書いていきたいと思います

霧雨が降る森 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)

新品価格
¥576から
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「霧雨が降る森」というのは、元々フリーホラーゲームで配信されているゲームです。
作者は、真田まことさんと言う方で、個人でゲームを作っているかたです。

作者のサイトはこちら
http://nanos.jp/hskzkrnkrn/

フリーゲームということで、無料でダウンロードでき、パソコンがあれば誰でもできます。
私は、ニコニコ動画のゲーム実況でこのゲームを知りました。
ホラーゲームというのは、個人的にはプレイするには苦手なぶるいに入るので、よくゲーム実況動画を見ます。

あらすじはこちら
事故で両親を亡くした大学生・シオリは、一枚だけ残された祖父の写真をきっかけに、
面影を求めて、両親の故郷”阿座河村(あざかわむら)”へと向かった。

しかし、そこは、シオリが決して
行ってはいけない場所だったのだ――。


さて、感想に移りましょうか

「おいでおいで。かわいいかわいい、わたしの子。はようはよう、出ておいで。
 約束を、約束を果たしにおいで」

このカラーから、漫画はスタートします

「両親が亡くなったと聞いたのは、ひどい雨の日のことでした。交通事故でした」
「その日は奇しくも、私の誕生日で、大学に入って間もない私を祝うために、両親は柄にもなく張り切っていたのだと思います」


「潰れた車から出てきた私へのプレゼントが、それを物語っていました。両親は私が小さい頃に親類と縁を切っており、葬儀はひっそりと行われました」

「突然のひとりぼっち…私のことも両親のことも昔から知っている人はいない。
 それが、どうしようもなく、寂しかった」

もろに原作の最初の語りをそのまま引用してますね

ゲームでもいきなり、シオリちゃんの両親が交通事故で亡くなりました、からスタートするので、
最初見た時はびっくりしました。

ある程度時間がたった日の夜
シオリは机の上で寝てしまっていた
起きると、部屋の時計がずっとなり続けていたことに気付く

直しに行くシオリだが、どう直していいか分からず、時計をいじっていると、一枚の写真が落ちる。それは、両親と小さい頃のシオリ、そして、親類と縁を切っていたはずのシオリのおじいちゃんらしき人が写っていた

写真の裏には、写真撮った場所と日付が書かれており、「19××年×月×日××県××群、阿座河村(あざかわむら)」と書かれていた。天涯孤独になってしまったシオリにとっては、願ってもないものだった。

「心の整理がついた頃、わたしはゆううつな長い大学の夏休みを迎えていた。そんな中、ふとあの写真のことを思い出した。もしかすると、あれは祖父ではないだろうか。そう思うと、やっと慣れたさびしさが一気に押し寄せて来た。――会いたい。会って、色んなことを話したい。色んなことを聞きたい」

「そう思った私は、夏休みということもあり、あの場所へ行ってみようと決めた。――そして今、私は電車に揺られ、阿座河村に向かっている」
シオリちゃんは、こういう経緯で阿座河村(あざかわむら)で向かうことになります

漫画にも描いてありますが、その場所はシオリちゃんにとって、決して行ってはいけない場所だったのです。
「あなたたちが二つに分けた約束は、時間と欠損だけで許しましょう。だからいつの日か来た時は、全てをわたしにちょうだいな。逃げることは許されない」


電車で「阿座河村(あざかわむら)」まで、いくシオリちゃん。
しかし、近くまで行くには、バスに乗っていかなくてはならない。しかも、時間はあと、3時間待つことになる。
交通手段がそれしかないので、バスを待つことに…。

しかし、いつまでたってもバスが来ない。すると…
「おい。そこの君」

「何をしているんだ!」
現れたのは、警察官だった。
バスを待っていると言うと、このバスは利用者が少なくて廃線になったとその望月さんは言った


驚くシオリだが、その村の巡査の望月さんがそれを見かねてか、目的地までパトカーで送ってくれるという
シオリは、その目的地に望月さんに告げる

シオリが告げたその場所は、望月さんが言うには「村の資料館」だそうだ。
昔はたいそう立派なお屋敷だったそうで、屋敷の持ち主だったご老人が死んでからは資料館になっているんだという。
その言葉に衝撃を受けるシオリ。

「そこで君。こんなところへ何のだ?」
「いえ…身内を…」


感想らしい感想を書けないぞ。
このお話…。
結末知ってるから、考察とか無理だしな。

場面が変わり、資料館の中に入るシオリ

望月さんが言うには
「時間外だけど、まだ管理人はいると思う。ただそいつは厳しいから、入れてもらえるかどうか…。何かあったら、派出所に連絡してくれ」

おそるおそる管理人さんがいないか、探しにまわるシオリ。
開かない部屋もあり、3階にたどり着き、ある絵本を見つける



タイトルは「ことりおばけとおがみさん」

「むかしむかし、村にはとても美しい女がおりました。しかし女は、その美しさで村の男たちをとりこにし、「悪い」ことをするように指示しました」
「そのせいで、村はすっかり寂れ、男たちの妻や子は、餓えるばかり。ついに、その悪い女は村の人たちに、山に追い出されてしまいました。ところが、その女は次第に姿を変え、おばけになってしまったのです」

「その女は、森に入った子どもをさらって、地獄に落とす「ことりおばけ」になり、何人もの子どもをさらいました。そんなある日、村に霧のように細い雨が降りました。なんと、ことりおばけは、その雨と共に村に下りてきました」

「私の子どもはどこかいな」「森に入る子どもでは足りぬ」「さぁ、子どもを渡せ。私に渡せ」

「――そんな時、一人の勇敢な村人が、ことりおばけに向かっていきました。村人が青く光る石を投げると、ことりおばけは叫び声を上げて森に帰っていきました。その後、その村人がおばけが子どもをさらわぬようにおがむと、ことりおばけは、二度と村に下りてこなくなりました」

「それからその村人は「おがみさん」と呼ばれ、村を守り続けました。子どもたちも森に入ることはなくなり、村はすっかり元気を取り戻しましたとさ」



この物語が、この「霧雨が降る雨」の根本のキーになるので、書きおこしておきます
シオリはこの絵本を読んだことがあるとそう思い、他に何か手がかりを探していると、アルバムを見つけます

シオリの父親の小さい頃のようでした。
アルバムに挟まったいた書類を見ると、そこには
「この資料館は管理人に全て委託する。尚、最終的な相続者がいない場合、遺産であるこの敷地を”村”の資料館として、寄付する。神崎敬一郎」

書かれていた名前にシオリは「おじいちゃんの名前だ!」と、ここがお父さんの故郷なんだと実感します。

シオリちゃんは、本当はもう少し調べたいけれど、もう夜も遅いので、また明日、改めて管理人さんに事情を話そうと、1階に戻ろうとします。その部屋から出ようとした時、床にきれいな青い石のペンダントを見つけます。あとで受け付けに置いておこうと、それを持って1階に戻るのでした。

2階まで下りた時、何かの物音がして、シオリちゃんはその音がした部屋に向かう。
部屋の扉の前で、「……あのすみません…」とこえをかけると、
「……誰?」

女の子の声だと気付くシオリ
「私はそのなんていうか…知りたいことがあって、ここに来た者です」
シオリがそう言うと、ほっとしたような声で「管理人じゃないのね?」と女の子は言う

女の子の話によると、隠れてたら鍵を閉められて出られなくなったのだという。それを聞いたシオリは、管理人さんか派出所に連絡を…と言いかけると、女の子は慌てて叫ぶ
「嫌!!派出所って望月巡査でしょ!? それだけは嫌!!呼んだら死んでやる!!」

女の子の嫌がりように、シオリは「じゃ、じゃあどうすれば…」とつぶやく
すると、女の子からカギをもらう
「…これ、外側からなら開くから」

部屋の中に入ったシオリに現れたのは

佐久間美夜子という中学生だった
佐久間の話によると、ここにいたのは、家に帰るのも嫌だったし、学校の子たちに外で会うのも嫌だったから、という。
佐久間の言葉に「そんな…でももうこんな時間だよ? 家に…」シオリは言った。

シオリがそう言うと、少し面倒くさそうに
「言われなくても分かってるよ。うるさいな…。とりあえず開けてくれてありがとう」
お礼を言った。

「それより、早くここから逃げた方がいいよ。閉館時間が過ぎると、危ないから」
意味深なことを言うので、シオリは驚く
「ここの管理人、ちょっと頭おかしいの」

言ったその時、大きな物音がした
「……やっば。お姉さんも出来ればちゃんと逃げてね!」
と言って、部屋から出てってしまった

最初、このシーンを見た時、めっちゃ怖かったです。(一応、ゲームの方です)
佐久間ちゃんが、オーバーなことを言うから、怖がり損でしたもん!
後から考えると、完全に佐久間ちゃんのせいなんですよね


さて本編へ戻ります
先に行ってしまった佐久間を慌てて追いかけるシオリちゃん
玄関に着く佐久間とシオリ。

しかし、玄関の鍵が閉まっていた。
「とりあえず私は、どっか抜け出せるところを探すから…もし捕まっても私のこと、絶対に言わないでね…!」
佐久間はどっかに行ってしまう

佐久間の言葉で、恐怖心をあおられたシオリは、脱出するためのものを探し始める。
1、2階であたかた探したシオリは上の階へ進む。
すると、刀を持った人がいるのが見えた


驚いたシオリは、1階へと降りる。
受付という文字に、シオリはあの綺麗な青い石のペンダントのことに気付いた。
持っていたペンダントを受け付けに置く

シオリは、受付に置いてあるメモに気付く
「おかあさんはだれ? きみはどこの子?」
書かれていたメモたちは、シオリにとって恐怖心を煽るものだった

そんな時、佐久間の叫び声が聞こえた
3階から聞こえたその声の元へシオリは向かう
「いや!いやだっ! 離してぇ!!」

慌てて止めようとするシオリだが、一番奥の部屋に入られてしまう
しかし、こっち向かってくる足音が聞こえ、
「(こっちに戻ってくる! とりあえず近くの部屋に…)」

シオリは近くの部屋に入り、カギを締めるが、「ドンドン!!」ドアを叩く音が聞こえる
慌てて気をそらすものを探し始めるシオリ
壊れたランプを見つけ、それを窓から落とす

そのおかげか、足音は向こうに向かっていってしまった
ほっとするシオリ

1階に下りてきて、ある部屋を見つける
青の石がある部屋だった
「綺麗…。少し懐かしい光だ…」

石を眺めていると、あの遠ざかっていた足音が近づいてくるのに気付いた
ここは行き止まりの部屋で、この先に部屋はない。
刀を持った男が、目の前まで来た時、シオリは「(殺される…))と目をつぶった。

しかし、何も襲って来ず、目を開けると、その人はメモを差し出した
「開館時間は過ぎています。時間厳守。警察を呼んでいます。ロビーへ」
というメモ。

シオリを驚いていると、その人はメモを書きだして…

「これは、模造刀。管理人です」
シオリに見せた
阿座河村資料館管理人・須賀孝太郎。

孝太郎って言う名前だったんだ。ゲーム内だと、名字のみだったので、名前も表示されていて、びっくりしました。
ずっと私、須賀くんって呼んでたんで…。


場所が変わり、玄関
そこには佐久間もいて、望月巡査もいた。
「それでは、佐久間は家に連れて帰るので…」

「…まったく何度目だ? ここの管理人の須賀君も迷惑してるし、親御さんも心配してるぞ」
望月巡査が言った言葉を無視するかのような発言を佐久間は言う
「……一人で帰る。別に望月巡査にまで迷惑かける気はない」

「そんなこと言っとらんだろう! 反省しなさい!」
望月巡査は怒る。
佐久間の話から、シオリの話に変わり、望月巡査は説明する

シオリは、ここの資料館の主だった神崎敬一郎の孫だということを明かす
驚く望月巡査と佐久間ちゃん。須賀さんは無表情のままで…。

すると、須賀さんはメモ書き出し…
「帰ってください」
とシオリに見せる
「あ…いえ今日はどこか近くに泊まって…」
シオリが言うが、また須賀さんはメモ書き出して…

「いけません。帰ってください」
メモを見せる
「あつかましいと思います。もちろん、この屋敷を欲しいとか考えてません。ただ…」

「帰れ」
譲らない須賀さん
「…でも私、どうしてもここのことを知りたいんです。この前、両親が交通事故で他界してしまって、一人になって…せめて関わりのあるこの場所のことを知りたいんです!!」

二人とも譲らない。
それを見かねた望月巡査が、この阿座河村には、泊まるような場所がないことを告げられる。

驚くシオリちゃん。
しかし、非常用の宿泊施設が決まっているらしく、それが、この資料館なのだという
「管理人も、そのこと分かってるくせに、意地悪ばっか言わないでよ!」
佐久間ちゃんが文句を言う

なんかかんやで結局、シオリちゃんは、資料館に泊まることになった。

あぁ…、須賀くんの心情を考えると、辛い。本当にわざとあぁやって言ったんだよね。会いたかったはずなのになぁ。
私も、初めて須賀くんの態度を見たとき、何か大きな理由があるのだろうと考えていました。理由を知った時は、ただただ切なかったです。

分かるのは、本当に須賀くんはシオリちゃんのことを大切に思っていた。だからこそ、二人には幸せになって欲しいです
あ、1巻だと大きなネタバレになりそうですが、まぁ、いいか。些細な須賀くんの表情にキュン出来るので…。

シオリちゃんは、須賀さんのことを覚えてないし、仕方ないけど、須賀くんは全て知っていて接してるから、余計切なくて…ね。


えっと本編に戻ります。

「結局私は、その日からこの資料館に宿泊することになった。」
「ここの管理人さんは、喋れない人のようで彼の書くメモで意思疎通をしている。ちなみに声は聞こえているらしい。ただ私は、彼にあまり歓迎されていないようだ」

「「資料館と村の中以外は、決して出歩かないように」…と強く約束させられた。私もある程度の心の整理がつけば、すぐにでもここを出ようと思う」

「ここには村の資料だけではなく、少しではあるが、母の思い出が残っていた。それに触れるたびに胸が温かくも締め付けられるような気分になる」

「ーーしかし、その中で疑問が生まれた。なぜ父も母もこの故郷の話をしなかったのだろうか?なぜこの地から離れたのだろうか? 何か隠すようなことがあったのだろうかーー…?」

その理由こそ、この物語の核心なのだが……はぁ、これネタバレしたら、面白くないよね。
個人的には、須賀くんとシオリちゃんの絡みが見たくて買ったんだ。でも、そういうのはもうちょっと後の巻だなって、思ったので、買い続けなくては!


シオリは、そろそろ閉館時間なので
一度下に降りる。そこで、佐久間と会う。佐久間との話の中で、望月巡査の話になる

「おせっかい焼きで、ノー天気で、親切と無神経の押し売り屋!!」
そう望月巡査のことをそう表現した佐久間
「あんまり好きじゃないの?」
シオリが聞く

「…なんていうか、苦手。もともと村の人じゃないから、空気が違うし…というか空気読まないし。おっさんだから?」
佐久間が言った瞬間、後ろから望月巡査が来た

話に望月巡査が加わり、話は、この村の歴史についてに変わる
それによると、

「この阿座河村は、山奥にぽつりと存在して、知っての通り交通の便も悪く、行き交う者と少ない。産業は…主に農作物だな。昔は鉱石も扱っていたようだが」

鉱石という言葉に、シオリは主に青く光る石のことを話に出す
「おぉ、どこかで見たのか? あれは「夜行石」というんだよ。魔除けに使用されていて、主に子供に持たせる装飾品に加工する」
続けて、佐久間が話す

「この石には不思議な言い伝えがあってね。「忘却」の石だとか…。でも文献もほとんど残ってないし、もう誰も…って、お姉さん、顔色悪い?」

シオリはその「忘却」の石の話をしてから、頭が痛くなっていた。
「大丈夫…! 続けて…」

夜行石の話から、「おがみさん」の話へと、話題が広がる
「この村では、古来「おがみさん」という霊能商が盛んだったんだ。この村で「おがみさん」になる人間は成人であり、その人間の成長過程は隠されるらしい」

「…ま、今じゃその権力も小さくなってる。そのおがみさんも、霊能の際に夜行石を使っていたそうだ」

「絵本にもあったでしょ。「ことりおばけとおがみさん」あれって、この村で実際に起こった事件を元にしているの」
だいたい、そういう物語って、実際にあったことを戒めるために作られることが多いもんね

「え……?」
シオリは驚く
「昔、阿座河村では、子供の失踪事件が頻発していた。子どもたちは山へ行ったきり、村へ帰ることはなく、発見されたとしても、それは遺体だけだった」

佐久間の言葉にシオリはゾクっと背筋が凍る
「そんなことがあったから、今でも立ち入り禁止になってるの」
佐久間に続けて、望月巡査が言う

「山を切り崩して村を発展させようって意見もあるんだがなぁ…」
なるほど。すごくありがちな意見ですね。
ただ・・・もし…本当にことりおばけいたとしたら、それは大変なことなってしまうけれど…。

「そんなこと あの根暗でマジメ、足の速い黒い電柱みたいな管理人が黙ってないよ。……いやあいつ、喋れないんだった」
「昔からそうだけど、お姉さんと歳は変わらないんじゃないかな。あんなんじゃ、ここ余計に人来ないよ」

「確かに模造刀とはいえ、あれはちょっと…」
シオリがそう言うと、後ろに須賀さんがいた。
「す……須賀さん…」

(笑)佐久間ちゃんが須賀さんのこと、黒い電柱って言うからね。
須賀くんは、不器用な人だから、喋れないから余計に…。


須賀くんはシオリに、メモを見せる
「調べ物どうですか?」
「あ……えっと、あともう少し。佐久間ちゃんと巡査にも、教えてもらってたんですけど、まだ父と母のことで知りたいことがあって」

シオリがそう言うと、またメモを見せる須賀さん
「早く終えて、帰って」
「はい…」
少し落ち込んだ様子のシオリ。

すると、須賀さんがカギを渡してくれる
「これは?」
シオリが不思議そうに聞くと、須賀さんがメモを見せた
「スペアキーご自由に」

そのメモに嬉しそうに笑顔を見せてシオリは
「ありがとう!」
お礼を言う

須賀さんは、ぷいっと顔をそらしてしまう
このシーン、わざとシオリちゃんの笑顔を見ないようにしてるんじゃないよね。
それか、ちょっと照れた?


場面が変わり、シオリちゃんの探し物
唯一探していなかった部屋で、うたた寝をしてしまい、偶然、日記を見つける
そこには…

「〇年〇月〇日 私たちの可愛い孫。元気にすくすくと育っておくれ。見えずとも愛しているよ」
「〇年〇月〇日 孫はあの子と仲がよかった。あの子も孫と接していると、笑顔になった。これは良いことなのか、どうなのかと話し合いになったが、良いことになるように と私たちは祈りをささげるだけだ」

「〇年〇月〇日 今日はあの子たちが約束してしまった日だ。あの子はいまだに犠牲になる気でいる。私たちは何も言えない。ただ祈りは途絶えてしまうと言うのに」
「ヤクソク」

約束と言う言葉にシオリは、頭が痛くなる。
「……そろそろ下へ戻ろうかな」

下に降りると、佐久間ちゃんと、須賀くんと、村の役人がいた
シオリが不思議そうにしていると、佐久間ちゃんがポロリと言う
「……村の人だ。しかも嫌な役人だよ」

「……正直ね。来館者はいないでしょう? 村にとってなんの財産にもならない、こんな場所 存続させる意味はないと思うんだけどね。村の発展のためには、山を切り開くことが必要なんだよ。それには、この資料館の存在がちょっと問題でねぇ」

「子どもの失踪事件だって、近年起こってないし。古い縛りに囚われるなんて、時代遅れだと思わないかい?……昔と今じゃ違うんだよ。「ことりおばけ」も「おがみさん」もずいぶんインチキ臭い話さ」
その一言に須賀さんが刀を取った風に見えた

「な、なんだね! 君がそんなだから、なおさら、ここには人が寄り付かないんだよ!」
村の役人は、ビビった様子を見せる
須賀さんは、メモを取り出しただけだった。

「……なんだメモか。まったく君と話すとこうだから…。…交渉には応じないつもりのようだが、今度村の会議で、ここの取り壊しの決議をとるのは決まっとるんだからな。あまり非科学的なことを広めるもんじゃないぞ」

「余計不気味がられて、次の仕事が見つからなくなっても知らんからなぁ。
 …まぁ、君の場合、それ以前の問題か」


うわぁ…すごくむかつく!
嫌な言い方するね


すると、佐久間が前に出る
「君は、佐久間さんのとことのお嬢さんじゃないか。いけないよ。君がこんなところに入り浸ってちゃあ。だから佐久間さんも、この案に賛成してくれないんだよ」

「死ね!!この狸じじい!!」
佐久間はその役人に向かって叫んだ。

いい気味だ!ばーか!
って、漫画に文句いっちゃダメか。
ゲームと同じ言葉で言われると、流石にむかつく!


「なんだあれは!! 失礼な娘だ。今度、あの家に文句を言ってやる」

「失礼なのはあなただと思いますけど」

シオリは村の役人に向かって言う

「なんだね君は?見かけない顔だが…」
「私はこの資料館の持ち主だった神崎敬一郎の孫です」
シオリはそう宣言する

「孫? 神崎氏に血縁者など…」
「私がそうです。私が血縁者である限り、この資料館の権利については、私に決定権があります。なので、あまり好き勝手なことを言わないでください」
そう怒ったように言うシオリ

「君みたいな若い娘が相続者?ははは、よしなさい。見たところ君は、都会の子だろう?こんな屋敷は村に渡しなさい。君の手にあまる。もちろん、買い取りだって視野に―…」
「お引き取りください」
シオリは、村の役人に強く言う

それが気にくわなかったのか、ダンっ!と靴を床に大きくたたいた。
「……まったく!これだから臆病者は!忌々しい伝承など、鼻くそみたいなものだ!!それがわからないとは!……今日のところはおいとまするよ!」
村の役人は去ってしまった。

「……ごめんなさい。勝手なこと言って、本気じゃないから気にしないで須賀さん。ただ・・・佐久間ちゃんと同じようにすごく腹が立って…」
シオリがそう言うと、須賀さんはメモを見せた
「ありがとう」

そのメモにシオリは
「…! ううん。気にしないで」
須賀さんを見つめて言った

すると、須賀さんはメモを見せて
「夕飯 食べる?」
「……うん。いただきます」

ここのシーン好きだな。
なんだか言って、須賀くんは優しいもんね。
まぁ…須賀くんの料理の腕は、酷いけど(笑)


「…うっぷ。(須賀さんの料理…炭の味だったな…。でも完食できた! …今度は作らせてもらおう)」
シオリちゃんも、まずいとか言わないで、すごい子だな。
流石に炭の料理は、ダメだったけど。

「ごちそうさま!」

シオリちゃんの言葉に、須賀くんは笑った。
その表情を見て、シオリは懐かしい感覚に襲われる。
「…あ、何でもない。…いや、あの…その須賀さんって…」


シオリが言いかけたその時
「須賀くん!!いるか!!」
望月巡査の声が聞こえた
「佐久間がいなくなった!!」

望月巡査の話によると、佐久間がこの時間になっても帰ってきていないということらしい。
佐久間が、ここから一度出て行ったことを聞いた望月巡査は、須賀君にカギをかしてほしいと頼む。
素直に須賀くんは、望月巡査に渡す


「すまんな。…もし、良かったら、君たちも協力してほしい。何かあったら、俺に伝えてくれ」
望月巡査はそう言って行ってしまった。

シオリも佐久間を探しに行こうとすると、須賀さんが止める
「何もするな」
メモをシオリに見せる

「…いや、探すよ!だって心配だし」
「ダメ」
須賀さんも譲らない

「でも、そんなわけにはいかない」
シオリの言葉に折れたのか、須賀さんは、メモを見せた
「なら、」

場面が変わり、望月巡査とシオリちゃん

望月巡査によると、佐久間は、いなくなることがしょっちゅうなのだという。そのたびに補導、保護。ただ……家庭環境が複雑のようで、学校の方もうまくいっていない。

「とにかく、今日は天気も良くないし…。この屋敷にはいないとなると、少し心配でな。…なんだか胸騒ぎする」
望月巡査は、いい人だよね。佐久間ちゃんだって、そんなこと分かってるから、素直に補導に従うんだろうけど。

「何もない村…のはずなんだかな。随分前は失踪者が多かったらしい。神隠し何かは知らんが。だからか、村の人間が森に入ることは全くないそうだ。……少し気味が悪いな。早く見つけんといかん」

「危なっかしいんだが、あの子は悪い子じゃないんだよ」
そうだね。佐久間は口は悪いけど、いい子だよ
「短い間だったけど、分かります・・・。だから余計早く見つけないとって」
「…うん。よろしく頼むよ」

望月巡査と別れたシオリ
「(もしも佐久間ちゃんが森へ向かったとしたら、私は――…)」

約束覚えてる?」
誰かの声がした
逃げられない
その時、カミナリが鳴る

そのせいで停電してしまう。
「…わ! 停電…?(屋敷の中の様子は…)」

廊下に続いていたのは、血痕だった。
「(血…!)」
驚くシオリ

血痕を追っていくと、展示室についた
「……佐久間ちゃん、ここにいるの?」
おそるおそる中に入ると、「おがみ様」の写真が血だらけになっていた

約束を果たしにおいで。待っているよ。あの子と
そう声が聞こえた
驚いて部屋を出る。

血痕は続いており、青い石が置いてあった部屋まで続いていた。
「(石が置いてあった部屋…)」
すると、物音が聞こえた

シオリが中に入ると、佐久間がいた。
「…開かない。…開かない。…内側、内側のせい」
部屋の奥でつぶやく佐久間

「佐久間ちゃん……っ。みんな探しているよ。さぁ戻ろう?」
シオリが佐久間に向かって、そう言うが、何も言わず、部屋から出てってしまった。
「ま、待って!!」

追いかけていくが、見失ってしまう
しかし、玄関まで血痕が続いていた。
「(やっぱり…佐久間ちゃんは村の中に行ったんじゃない。佐久間ちゃんが向かったのは多分…)」

シオリは森の入り口まで来ていた
「(森への道は今でも立ち入り禁止に、失踪者が多く――…)」
シオリは、須賀さんとの約束を思い出していた。


「…でも、そんなわけにはいかないよ」
シオリの言い分に須賀さんはメモを見せて
「なら、森に入るな」

「…ん。できるだけそうする」
シオリは頷いた
須賀さんはシオリの手をひいて、青い石のネックレスを渡した
「お守り」

そういうメモを見せた須賀さん
「そういえば…この村では夜行石はお守りだって…。ありがとう」



「(ごめん。須賀さん。森へ!!)」
はぁ…。須賀さんの約束破っちゃった。
まぁ、これで行かなきゃ、ゲームじゃなくなっちゃうんだけどね。


森の中へと入ったシオリだが、変なものに会う
「見つけた。やくそく」
その変なものに触れられた瞬間、場所が変わってしまう

何か家が建っていて、出口もない。
仕方ないので、その家へと入るシオリちゃん


その家の最初の入り口には
「子どもには決して触れてはいけない。石には数限りがあるのだから」
と書かれていた。

奥は洞窟になっており、シオリはおそるおそる進む
「(じめじめしていて暗い…。それと、血と何かが腐ったような臭い)」
ある部屋には、不気味な人形が落ちており、身代わり人形と書かれていた。

その部屋には、何かを殺した血の跡が様々で、決して日常では見られないような風景が広がっていた。
「(小さな…人の…骨…?)あとで埋葬してあげよう…」
凄い精神力だな。シオリちゃん。普通、冷静でいられない気がするけど…。

ゲームだから仕方ないや
「(至るところに赤黒い何かがこびりついてる…。散らばった乳白色のかけら。壺に仕舞われているのは、ぐちゃぐちゃに潰れて干からびた―――…本当に…ここに佐久間ちゃんが…?)」

その部屋を出て、さらに奥に進むシオリ
「ここが一番奥…?」
そこは牢屋が並んでいた。

中に入ると、得体の知れない者たちがいっぱいいた。
何かを作っている様子で、小さい子供たちのようだった。
「あ…いや…もうやめて…やめて!!」


シオリが叫ぶと、後ろで声がした
「ここ、きらい。いなくなってしんじゃえ」
その得体の知れないものに、シオリは触られる。
その瞬間、夜行石のネックレスが割れるのだった。

かわいいかわいい坊や。はようはよう出ておいで。お母さんもお父さんも、お兄さんもおるからね
眠っている中で、声が聞こえた
「(この声…なんだか安心する。そうだこれは…)」

シオリが目覚めると、さっきの得体の知れない子どもはいなくなっていた。
「もしかして…このネックレスが…守ってくれた…?」
その夜行石がかけたネックレスを手首にかけ、シオリは立ち上がる

「(早く佐久間ちゃんを見つけて……みんなの元に帰らなきゃ)」
シオリは奥へと進む

すると、さっきとおなじような子どもが目の前に立ちふさがる。
しかし、今度は追いかけてこない。
「どろ どろ か らだ。 どろ ど ろ。か え して。 か えして。からだ は?」

そう子供は聞いてくる
困ったシオリだったが、どろどろということで、ある部屋にあったものだと気がつく
「これで通してくれるかな…」

その子どもにそれを渡すと、嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねて
「カラダ! カラ ダ! し あ わせ?」
と言って、消えてしまった

「(この子ども達は一体何なのだろう…。何かを…探してる…?)」
また奥へと進むと、何か書かれた紙が置かれていた。

「村 ノ 男衆 ハ 狂 ヒケリ。夜 ゴト 非道 ナル 行ヒ ニ 耽 リタリ。
 カノ 女 イイド アハレナリ。
殺 サルル 赤子 モゾ アハレナリ。

逃 ルレバ 地獄 モ 果ツレドモ。
我 ハ 死 ヌル」 


恐らくですが、村の男たちが、ある女を犯し続けた。その女は、妊娠しており、まだ生まれてもいない赤子を男たちは殺していた。逃げれないから、自分は死ぬ。という解釈でいいのかな。

カタカナだし、読めない字もあるし、解釈しずらいです。
後々、詳しいことが分かると思いますが。


その置かれていた紙の近くに、大きな穴が開いていた。
地下に続いているようだ。

下に降りると、奥に外の光が見えた
急いで、シオリが行こうとすると、また、得体の知れない子どもが立っていた


「にげちゃだめ。きみもいっしょ。 ぼく たちもいっしょになる の。」
「(逃げなくちゃ!!)」
子どもの言葉にシオリは逃げる

「(守ってくれるネックレスはもうない。もう一度触れられたら…もう助からない!!)」
降りてきたのを、上って、逃げるシオリ
「上まで登れば…」

上ってくると、同じ子供がいた。
「(追いかけてきてる!?)」


シオリは慌てて逃げ出すが、子どもは追いかけてくる
にげ られないよ。はや く いっしょになろう
逃げ道の途中で、身代わり人形を見つける

シオリはそれを見て、子どもに身代わり人形を投げつける
「いっ しょ いっしょになろう ね…。オカ ア サンが まってるよ。カ ナシイ ツライ オカーサン」
と言って消えた。

その瞬間、ある想いがシオリに伝わってくる
「かわいいかわいい、坊や。はようはよう出ておいで。お母さんもお父さんも おるからね。はようはよう 生まれておいで。かわいいかわいい、私の坊や」

「あんた 見て。この子 おなかの中で喜んでるよ」
「(あぁ、そうだ。この声は…お母さんの声だ)」
シオリはそう思う

「オカア サ ン。ヤサシイ オ カアサン。 シアワセ ナ オカアサン。 アイ タ カッタ オカア サン。
ナノ ニ……ドウ シテ ?」


その言葉の後、急に場面が変わった
「やめてぇ!!」
「うるせぇ! 本来ならてめぇも、夫と子どもと同じように打ち首なんだぞ!!村のオキテに逆らった夫の妻として、生かしてもらえるだけありがたいと思え!!」

女が男たちに突き飛ばされる
「あ…あぁあ…! あぁ、ワタシの夫を子どもを返してぇぇぇぇ!!」
「…こいつ、身籠ってるぞ。仕方ねぇな。…おい」

「あああああ!」
女の叫び声が聞こえる
「オカア サン ナカ ナイ デ。イッパイ イッパイ、命 ガ アレバ キット、オカア サン ハ、シアワセ 二、ナレル ヨネ」

「オカア サン ハ、イツ ダッテ、約束 シタ子ドモ ノ、命 ヲ 求メテル」

その瞬間、元の場所に戻った
「…消えた? …良かった。助かった。(でも…今のは 何……っ?)」

「……約束した子どもの命? それがあれば「お母さんは幸せになれる」みたいなこと、言ってたけど…。私、約束なんて……」
シオリは思い出そうとするが、頭痛がして…。

「……だめだ。よくわからない」
シオリは、洞窟を出ようする
すると、その出口の付近に何か落ちていることに気づく

「小さな乳白色の欠片……? さっきは落ちてなかったのに……大事なものかな……」
シオリはそれを拾う

外に出ると、倒れている佐久間がいた
「佐久間ちゃんっ!!大丈夫? しっかりして!」
シオリが佐久間に声がかける

「……あ、お姉さん」
佐久間が目を覚ます
「良かった…。探したよ。どうして森に入ったの?」

「最初はちょっと森で隠れて、あの役人に当てつけてやろうと思っただけ。私が森で、行方不明になったら、あの人もあんな口叩けないと思ったから。でも、どうしてか途中から、何も覚えてなくて気がついたら、こんな森の奥に…」

「でも佐久間ちゃん、一度資料館に戻ってたよね?」
シオリの言葉に佐久間は驚いたような顔をする
「ごめん、覚えてないの。私…この森…で…」

佐久間は、その言葉を言いかけ、はっと思い出した顔をする
「そう…この森で、私変なのに会って、それから意識がなくなって…っ!早くこの森を出よう! 私「ことりおばけ」に会っちゃったんだ!!」
佐久間は叫ぶ

「…それで私…「ことりおばけ」に意識をとられて…」

「…「ことりおばけ」は多分…お姉さんを捜してるっ!!」
佐久間が言葉を発した瞬間、後ろから「ことりおばけ」が現れた

みつけた。約束 よ。あの子の代わりに シオリのいのちをちょうだいな
「ことりおばけ」がつぶやく

「…逃げようっ!! 早く!」
佐久間の言葉で、シオリは佐久間と一緒に逃げ出す
にがさない。約束を果たせ

二人は、出来るだけ遠くの方へと逃げる。「ことりおばけ」の声が遠くになった頃、二人は息をあげていた

「佐久間ちゃん、大丈夫?」
シオリは佐久間に声をかける
「…大丈夫。ちょっと足が疲れただけ。それより、お姉さんは自分の心配してよ。お姉さん、「ことりおばけ」に狙われているんだよ」

「あのお化けは、確かに私の名前を呼んでた。でもどうして…」
シオリは疑問を持つ。
「お姉さん「ことりおばけ」と約束したんだよ」

「約束? わ、私 約束した覚えなんて…!」
戸惑うシオリ

「お姉さんは…「ことりおばけ」に「命をあげる」って約束したんだ…!
私が「ことりおばけ」に意識をとられてる間、ずっとその声がしてた…」


あの子の代わりに、シオリの命をちょうだいな。それが約束。分けた代償

もろに須賀くんが描写されてるから、あの子は、須賀くんのことだよね。シオリは、須賀くんの為に、「ことりおばけ」に命をあげるって約束した。

楽しみだなぁ。小さい頃の須賀くんとシオリちゃん。2巻はどこまでいくかな?楽しみだ。


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Author:此花
初めまして、此花(このはな)です。
年齢は19歳。今年で20歳 今は就職活動中
静岡県民です
妖怪や神様などが大好きです。そのせいか、そういうアニメを見ることが多い。
今は、アニメばっか見てます。
後、ボカロ系統大好きです。
この↑の二つを書くことが多いです
ぜひ読者の皆様、アニメのお話を共有しましょう

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